思い出に夢たちが騒いだ。・1
巨象が薄氷をふむようなもの。 宇宙歴801年2月。 ウィリバルトヨアヒム・フォン・メルカッツ提督の隣でその言葉を聞いたベルンハルト・フォン・ シュナイダー中佐は今回の軍事作戦もさながら「イゼルローン革命軍」の置かれた立場をこ の老練な上官が言っているのだと察した。 アウグスト・ザムエル・ワーレン上級大将は均衡のとれた熟練した提督である。 その男を旧同盟領からイゼルローン回廊までいともたやすく動かしたのは齢19歳のユリアン・ ミンツという青年である。ヤン・ウェンリーの被保護者であり彼を師父と仰いでいる若すぎる革命 軍司令官代行。 このたびの作戦の原案もヤン・ウェンリーがてきと対峙するにあたって重んじた「心理」を亜麻色 の髪の青年は巧みに応用した。 ヤン・ウェンリーは銀河帝国の覇者でもなく自由惑星同盟の権力者でもなかった。イゼルロー ン要塞駐留艦隊の一司令官にすぎなかった。ラインハルト・フォン・ローエングラムと戦う上で 戦略では及ばぬから彼独特の戦術を用いた。 敵の心理を徹底して読むこと。 本来は古来からある基本構想で何もヤン独自が編み出したわけでもない。 ヤン自身は歴史を愛したし軍務に就き武勲をあげたことで「少佐」になった。 部屋が広くなって驚いたのと給料(サラリー)が増えたことが大きな驚きで、彼はようやく思う存 分本を買いあさり「歴史三昧」を味わう。 歴史には戦争がつきものであるゆえに彼は常人では知り得ない大量の用兵術を「覚えた」の であった。彼の戦術は過去の文献から記憶したにすぎない。 しかしその知識の深さは誰も及ばない。 ユリアンは思う。 救国軍事会議のときヤンが情報入手に力を注ぎ目当ての情報を手にしたとき少年のユリアン の手を取って下手なダンスを披露するほど勝てると喜んだ。彼は「魔術師」と呼ばれるけれど 違う。緻密な情報入手、分析の上対峙する敵の心理を読み自分の艦隊を優位な位置に配置 した。これは魔術ではない。 青年の旗艦は「ユリシーズ」。 最大動員数は一万にも満たない。 「我らが革命軍はその可憐な我が身と野の花のようなか弱き民主共和という花を護らねばな らない。無謀なのは承知だが勝つまで立ち上がるしかない。」 若き司令官代行の隣には7年間の知己であり姉のように慕い、また用兵家として中堅に位置 する女性提督ダスティ・アッテンボロー中将。翡翠色の髪が薔薇色の頬にかかり目も瞠らんば かりに美しくりりしい。 まさに勝利の女神としか思えない。 ユリアンが怖じずにこの場にたてるのは彼女の存在も大きい。 「ダーリンは勝ち気な女だなあ。プライベートでは甘くてかわいいのに。」 その亭主・オリビエ・ポプラン中佐もいると心強い。 「船の上で負ければ逃げるしかあるまい。ご免だね。」 アレクサンドル・ビュコック元帥に逝かれたスーン・スール少佐は現在女性提督の部下になり 今度こそ上官を死なせてなるものかと必死に情報をかき集めては報告をあげてくる。 「少佐の責任感が強くなるのもやむを得ないな。悪くはないことだ。」 アッテンボローは差し出された書類に目を通しサインをして返した。 確かに喪ったエドウィン・フィッシャーがいれば随分有利に事が運ぶのはユリアンもわかる。 けれどアッテンボローの言うように「勝つまで立ち上がる」しかない。 2月12日0420時。 帝国軍ヴァーゲンザイル艦隊8500隻に対しイゼルローン革命軍6600隻。 イゼルローン回廊帝国側出入り口付近で接触。 35分後。 「撃て!(ファイアー)」 「撃て!(ファイエル)」 互いの指揮官が攻撃を開始した。 ユリアンにとっては初めての戦闘指揮である。けれど感慨や高揚感を味わえるような余裕など ない。要するに相手を「雷神のハンマー」の射程に引きずり込まねば勝機がない。ただし帝国軍 は当然この要塞の必殺の武器を知り尽くしている。そして過剰な武器への依存は戦術的判断を 狂わせる。 救国軍事会議がクーデターを起こしたとき、ヤン・ウェンリーは「アルテミスの首飾り」という同盟 首都星ハイネセンの必殺の武器を使用させずして破砕した。物理学と力学を応用しただけの無人 攻撃で首飾りは千億の星の輝きを放ち一瞬にして消滅した・・・・・・。 青年は同じ轍をふまないことを肝に銘じる。 失敗はユリアンには赦されないのだ。 真紅に燃え上がる宇宙を美しさと凶暴さが混在した光のシャワーが炸裂する。 音もなく数多くの生命が葬り去られ、宙(そら)に散った。 一進一退の攻防戦を繰り広げる中オリビエ・ポプラン、イワン・コーネフ両中佐率いる空戦隊が 出撃をする。 その中にはカーテローゼ・フォン・クロイツェル伍長もいる。 「カリンはお前さんといい勝負の艦載機乗りだ。オリビエもいるから心配するな。恋人をパイロ ットに持つと胃が痛いだろう。ユリアン。」 現にやや不安げにカリンを見送ったユリアンは「ええ。アッテンボロー提督のご苦労もようや くわかりました。」とややゆがんだ笑みしか見せられなかった。 2大撃墜王の指揮するスパルタニアンのチームはドッグ・ファイト史上に残る華麗なる戦歴を あげていた。母艦に収容されたうち帰らざるもの革命軍16機。帝国軍艦載機ワルキューレは これに対し104機を失った。 アッテンボローの元に還ってきたポプランは「くそ!」という下品きわまりない言葉を連発して いる。コーネフは常と変わらぬ涼しい顔をしていた。 カリンはブリッジにあがっては来なかったが敵ワルキューレを二機撃墜しアシストでもその才覚 を遺憾なく発揮した。女性撃墜王と呼ばれてもおかしくはない戦果を上げた。 まだ愛しい男はその僚友から「史上最多撃墜王」の名を奪い取ることができなかったのであ ろうと女性提督は思いつつ刻一刻と報告を吸い上げた。 彼女もまた、「小ヤン」なのであった。 「カリンはあの男の娘だぞ。死ぬわけないだろう。」 アッテンボローはユリアンに綺麗なウィンクを見せた。 ユリアンもあがってくる情報を細かく分析しなおかつ指揮を執った。青年の目的はヴァーゲン ザイル艦隊ではなくワーレン艦隊の到着の正確な日時であった。そして容易ならざる忍耐を持 ってヴァーゲンザイル艦隊に並行追撃の可能性を二日間見せつけ帝国軍を「雷神のハンマー」 射程内に誘い込んだのである。そのスタミナはヤン譲りであった。 回廊の地の利を活かすには「雷神のハンマー」による挟撃作戦しかない。 艦隊の足並みはフィッシャー提督には及ばぬが皮肉にも兵の数が少なかったためユリアンに でも制御することがなしえた。ワーレン艦隊も善戦するがユリアンの手の内にはメルカッツ率い る別動艦隊があり帝国軍左側面は脆くも崩れ去った。ワーレンは「雷神のハンマー」射程外へ の撤退を即座に全艦隊に命令をした。 2015時。 ワルター・フォン・シェーンコップ要塞指揮官の手刀が空を切った。 「雷神のハンマー」第一次砲撃である。エネルギーは充填されている。殺戮兵器を男はためらう ことなく指令した。彼は地獄をくぐり抜けた男。血にまみれた男。 それがシェーンコップの本分である。 業火に焼かれるがごとく数瞬にして敵艦隊は壊滅状態に陥る。 なおも第二射をシェーンコップは下した。 青年は念じる。 逃げてくれ。 頼むから、逃げてくれ。 これがヤン・ウェンリーの責任の一部であることを痛感して念じた。 女性提督はもう畏れはない。 自分が地獄に行くのはわかっている。 ユリアン、一人にはしないから。 2140時。 帝国軍の撤退が明らかになるとユリアン・ミンツはイゼルローン要塞に帰投した。 誰が叫んだのかわからない。 皇帝の向こうずねに蹴りを入れたぞと叫ぶ声が響き五領星を染め抜いたベレーが要塞の宙を 乱舞し飛び交った。快哉の声に青年はとまどう。帝国軍の死者推定40万。ささやかなる勝利 でしかない。40万の人間を炎で焼き尽くし殺してもささやかな勝利と呼ばざるを得ない戦争。 救いがたいと青年は思う。 この一局面での革命軍の勝利をボリス・コーネフとバグダッシュが宇宙に喧伝するという。 政治的な効果はあっただろう。イゼルローン革命軍ありき、が実証されるのだから。戦術の上 でも勝利したと言える。 「ユリアン、どうしたの。何を考えてるの。」 いつの間にか。 いてもらわなければ困る存在になっていたカーテローゼ・フォン・クロイツェルが青年の顔をのぞ き込んだ。ユリアン・ミンツにとっていてもらわなければ困る存在。 「勝ったのは勝ったけれど次はどうかなって。・・・・・・常に勝ち続けないといけないんだって。死ぬ ときがくるまでね。・・・・・・苦労性だよね。」 17歳の少女は小気味よい笑みを見せて言う。 「いいんじゃない。私たち、生きてるんだもの。また戦えばいいんだわ。勝つまで戦えばいいん だわ。」 彼女は意図していないだろう。 彼女の存在が青年にとってどれほど重要か。彼女のたくましさが、その輝きがユリアンをどれ だけ救っているのか。 要塞で留守をして「雷神のハンマー」を発射した男は女性提督にからかわれた。 「娘の結婚を邪魔するなんて野暮にもほどがある。あの二人、似合いじゃないか。」 「娘の結婚を邪魔するなんて父親の醍醐味だと思わないか。」 思わないよと不遜な男にアッテンボローはきっぱり言った。 「出番が少なかったからってすねてるんですね。中将。」ポプランもアッテンボローの尻馬に 乗って軽口をたたく。 相変わらずこの二人は仲が悪いんだなとコーネフは出迎えに来たテレサを抱擁した。 今回はおれの舞台にはちと狭すぎるんだと傲岸で典雅な戦闘指揮官は怜悧な笑みを見せた。 御前興行。 「一流の役者は一流の舞台にしか立たん。惑星ハイネセン奪還作戦。そう遠い日のことでは ないさ。三文芝居にはお前さんたちで十分だ。」 不敵すぎる男の言いぐさにポプラン夫妻は見事な二重奏(デュエット)を奏でた。 「聞き捨てならない。そいつは是非参加したいものだ。」 夫婦そろって度し難いと男は呆れて喧噪の中へ消えた。 「おかえりなさい。お疲れになったでしょう。」 イゼルローン要塞でもっとも明晰で能力がある賢者は、その名をオルタンス・キャゼルヌと いう。 夫の行動パターンは割合決まっている。合理的で事務的な人間だからか風呂に入らせ着替 えをさせて酒と前菜出す。メインディッシュを頃合いのよいときに出してあとは食後に珈琲か 酒を出せばいい。 夕食のときは娘二人も一緒になって家族で食卓を囲む。 ルーティン・ワークでもオルタンスは苦ではない。 市井の一主婦として十分満足して暮らしている。 彼女は生活を愉しむ達人でもあった。 今夜はチーズ・フォンデュであるからそれほど手間をかけないですんでいる。娘も嫌いな 野菜をこれなら喜んで競って食べる。もちろん淑女(レディ)としてのたしなみは教えている。 夫のアレックスはこれでも苦労人だから好き嫌いはないしオルタンスの料理をとても気に入 っている。 気に入っているどころではない。 前触れもなく客人を呼ぶこともしばしばあるし前触れもなく他家の家事の手伝いを言い渡さ れる。 それでも彼女は起きている時間を愉しみたい主義なので何事も愉しんでする 明るい気性の持ち主である。 ますます亭主はつけあげるのだが。 亭主は彼女なしでは一日たりとも生きてはいけまい。 これも一つの夫婦の光景といえよう。 「男女の比率が著しく狂っているのは事実だ。妙齢の女性が圧倒的に少ない。この要塞で 暮らす独身連中はさぞ堪えるだろうなあ。」 などのんきにしたの娘を膝にのせてキャゼルヌが呟けば。 「ハイネセンへ還る日も遠くはないんじゃありません?」 と健康的で愛くるしい笑みを見せて夫を脅かす。 淡い金髪と薄い紫の眸が予言をすると・・・・・・過去的中していることからアレックス・キャゼルヌ 中将ともあろう人物が肝を冷やす。 「おい、またそれは予言か。」 「さあ。どうかしら。」 なんて軽く要塞事務監をいなす。 パパ。 「よげんってなあに。」と自分に似たしたの娘がかわいらしい顔をして質問する。こうなると泣く子も 黙る高級官僚、秀才官僚もはてどう説明すべきか思案に暮れる。うえのシャルロット・フィリスは言 葉の意味は理解できるが両親の会話の意味はわからない。 そのしたの娘は「予言」がわからない。 ここで賢者である白い魔女のオルタンス・キャゼルヌは夫と同じ髪の色と眸の色を持つしたの娘に 優しく言うのだ。 「たとえばこうよ。あなたが大人になっておとこのひとと結婚したらこういってご覧なさい。「私はあの ことをしっているのよ」って。そうすればどのおとこのひともあなたを大事にしてくれるわ。それがママ の予言ですよ。」 年端のいかない娘に教える知恵じゃないとキャゼルヌは思う。 けれどどうしても妻には勝てそうもないと今宵も思う。 これがキャゼルヌ家の実情である。 全く愚か者ではないからキャゼルヌはオルタンスという賢者の伴侶でいられる。事実妻の言うことは ときに政治的に有効な場合があり自宅でくつろぐ要塞事務監は考えた。 イゼルローン要塞は堅固であり艦隊に砲撃されたところで堕ちない。そして自給システムがあるから 基本的な生活には困らない。 しかし。 やはり人口の比率のゆがみは彼にとっては少し頭が痛い。 事務監とはいわば「市長」の役割を果たす。 戦術的にはこの要塞は有効であるが共和制府ならびその市民にとって住みよい都市と言えるで あろうか。 言えないかもしれないとキャゼルヌは思う。 恋人を作るにもことを欠く。 まして安心して子供を産み、育てる人間の社会としては甚だバランスが悪い。 そして以前ヤンが言っていたことでもあるがイゼルローン要塞に固執する必要はない。 むしろ旧帝都オーディンと新帝国領ハイネセンの中間地点にあるが故に銀河帝国を少なからず 刺激をしているとも言えよう。とはいえど。 そう簡単に答えは出ない。 ユリアン・ミンツはこのあたりをどう考えるであろう。 明日あたり若すぎる司令官代行に伺いを立てておこうと娘の髪を撫でながらキャゼルヌは考 えた。 イゼルローン要塞でもっとも明晰で能力がある賢者は、その名をオルタンス・キャゼルヌと いう。 革命軍にしては大きな戦いを終えて。 けれど勝利に陶酔するものはもういない。 ヤン・ウェンリーの眠る部屋に担当医の女医がいて。 その女医とどうしても頭脳の活性化を試みたいと思っているシェーンコップという男がいる。 ミキ・ムライ・マクレインはそう馬鹿な女じゃないとシェーンコップは思っている。 医者としての技量はいかがなものかと危ぶんではいたが相当な経験を積んで熟達した医師に 成長していた。 ついでに言えば美人である。 目の保養にはよい。 話し相手に丁度いいと要塞防御指揮官は女医のいるところ入り浸る。 これで体の関係が全くないというのも周囲は不思議でならなかったが当人同士はそれが普通 だった。 「どうもハイネセンの動乱に対して帝国は相当切れる男を派遣したようだ。」 今夜は女医を女としてどうしても見ることができない不心得なカスパー・リンツ大佐という男も いる。士官ルームで男二人が飲めばいいのにと女医は思う。 「パウル・フォン・オーベルシュタイン元帥でしょ。マキャベリズムに傾倒した男だとキャゼルヌ 中将がいってらしたわ。」 大男二人が酔っぱらったらマシュンゴという男を呼んで道ばたに捨てなくちゃと彼女は思う。 今は席を外しているがフレデリカはここで夫のベッドの隣で眠るのだから。 権謀術に長けているのは確かだとシェーンコップは言う。 この男は酒を飲んでも酔わなくなった。 女と夜を過ごさなくなった。 死に急いでいるのかしら。 女医は端末に指を滑らせながら耳を傾けていた。 「おれはこれでも幼少のみぎりは旧帝国にいた。母親(おふくろ)と街を歩いていたらいけ好か ないいかにも陰気な子供(がき)がいた。それだけでぶん殴るわけにはいかんから思い切り舌を 出してやった。あれがオーベルシュタインだろうぜ。あのとき仏心なんぞ出さずに始末していれば ずいぶんと楽でよかったなあ。」 手間は省けたでしょうねと女医はまたペンをかんだ。 彼女のくせのようである。 「あちらも閣下のことをそう思っているのではないでしょうかね。」 薔薇の騎士14代目連隊長だったカスパー・リンツ大佐はスケッチブックにしきりに何かを描込み ながらシェーンコップに言った。 「ほう。なぜわかる。リンツ。」 いえね。 「私も母親の腹の中にいたころ銀河帝国におりましたし素直にそう思うだけですよ。」 麦わらを脱色したような金髪の持ち主がこともなげに呟いた。 おい。 さっきから何を描いてるんだ。 ワルター・フォン・シェーンコップ中将殿は自分の部下であり仲間である男に絡む。 「美人の裸婦なら見るに値するな。」 困ったものだとミキは眉根を寄せた。 「美人でもありませんし服も着ています。残念でしたね。閣下。」 二人のやりとりを聞いてマシュンゴを呼んでこの部屋の空気を清浄したいなと女医は思う。 卓上のヴィジフォンに手が伸びんとしたとき。 この絵は先生に持っていてもらいましょうとリンツはページを丁寧にちぎってミキに渡した。 ありがとうございました。 受け取ってくださって。 ライナー・ブルームハルトの肖像。 リンツは敬礼をして集中治療室を辞した。 「お前たちは案外、似合いだったかもしれないな・・・・・・。」シェーンコップはグラスをあおいだ。 女医を慕っていた青年。 青年をかわいいと思っていた女医。 女医は薄く微笑んでその絵をじっと眺めていた。 思い出のひととなってしまった若い青年士官の特徴が描かれていて彼女は何も言えなくて ただ見入るしかなかった。数分後女医はシェーンコップに言った。 「彼はどこで眠るのがせめてもの幸せかしらね。」 俺たちは二度、故郷を捨てたからなと男は押し黙った。 俺なら。 「俺なら皇帝ラインハルトの首を取ってから敵の真ん中で息絶えて眠りたい。」 馬鹿ね。 「あんたはどうしようもない大馬鹿者よ。150歳の寿命を全うして死になさい。シェーンコップ。 それまでは死なせないわよ。」 彼女はリンツが残したグラスを手にとって、飲んだ。 酒に強いはずなのに今夜はやけに苦みを感じた。 by りょう |
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LadyAdmiral