星のラブレター・1



寧日、安寧のイゼルローン要塞。



ヤン・ウェンリー司令官の執務室にダスティ・アッテンボロー少将とオリビエ・ポプラン少佐が出頭して

きたのは、0900時。



「ご報告があって参上しました。」とポプラン少佐が言う。

「・・・・・・なんだい。二人そろって。やっと結婚する気にでもなったかい。」と冗談でヤンは言って

執務室で書類作成をしていたグリーンヒル大尉も微笑んだ。ユリアン・ミンツ准尉も同席していて

提督はお人が悪いなと少し笑った。



「昨日小官と少将は婚姻届を出してきました。証人にはアレックス・キャゼルヌ少将と

夫人になっていただき入籍しました。」

ポプランがあまりにまじめに言うのでみな一瞬動きが止まった。少佐の隣で立っている女性提督

だけがはにかんだように微笑むのをこらえている。



「・・・・・・ほ、本当なのか。」



ヤンは8秒後やっと言葉を口にした。「本当です。結婚証明書もいただきましたよ。ちょっと変な名前

ですけど私はダスティ・A・ポプランという名前になりました。」

変だというなよとポプランはいい、だってなんだかなれないもんと女性提督は言った。

いやそのとヤンは立ち上がって二人の手を握った。

「おめでとう・・・・・・。アッテンボローおめでとう・・・・・・いやポプラン夫人か。少佐も。いや、なんというか

とにかくめでたいよ。わあ。うれしいものだね。よかったね。二人とも。」

フレデリカもユリアンも突然のことではあったが口々にお祝いを述べた。



「本当は戦争が終わるまでは籍をいれないでいようと思ったんですけど、なんだか最近それも彼に失礼

だと思えたし・・・・・・彼の子供もできれば・・・・・・と思いまして。」

ポプラン夫人となった女性提督は夫になった男の顔を見ながら、ポツリポツリとみなに話した。

「戦争が終わるのを待ってなんかいないで結婚してよかったんだよ・・・・・・。ああ、よかった。」

ヤンは心から安心したように言う。



「でも一つお願いがあるんです。司令官に。つまりまだ一応子供を生むまでは私今の仕事はしようと

思っているんです。となると部下の混乱もありますから、軍務ではアッテンボローの姓を使いたいんです。

余計ややこしいでしょうか。」



う、とヤンは考えた。こんなことは彼の念頭には「なかった」からである。



第一独身主義を声高に主張をした女性提督が本当に恋人と結婚したこと。

第二にまだ軍務を続けること。

「正式な婚姻をされていますから職場で使う姓を旧姓にする士官は多いですし、よろしいのでは

ありませんか。閣下。」大尉はやさしく上官に言った。

「そ、そっか。そういうものなんだね。」とヤンはいいよと女性提督に返事をした。



えっと申し上げにくいのですけどと女性提督は言う。



「妊娠をしたら退役します。・・・・・・いままで分艦隊の司令官になっている私が結婚をすべきでは

ないとも迷っていましたけれど私は彼を内縁関係にしておきたくないなと。・・・・・・大事なひと

ですから。」

あとはすみませんと女性提督は言った。

「謝ることなんかじゃないよ。うん。お前、身ごもったらすぐいいなさい。あとの司令官候補を

私は考えておくよ。・・・・・・それにしても本当によかった。・・・・・・結婚式はいつするんだい。」



「身内だけでしようと思ってます。小官は係累がいませんし彼女も家族を呼ぶのは大変だというので、

できればヤン司令官、キャゼルヌ少将夫妻・・・・・・媒酌人というのかあのご夫妻にいろいろとお世話に

なってますから。それとグリーンヒル大尉、ユリアン・・・・・・彼女の分艦隊数人とうちの空戦の

数人って感じです。一応ここは最前線ですから食事会みたいなものになります。出席願えますか。

あまり式まで日にちをとりたくないんです。」

とポプランは言う。

「そっか。アッテンボローの、いや彼女のご家族は呼ばないか。まあ確かにここは家族を呼べる場所

じゃない。民間人はいてもそれは別のはなしだしね。勿論喜んで私は出席させてもらうよ。でも

どうして式まで日にちをとりたくないのかな。」

ヤンは考える。



ユリアンとフレデリカはおおよその見当がついていて顔を見合わせて微笑んだ。



「勿論彼女のドレス姿を拝みたいからに決まってるじゃないですか。昨日はキャゼルヌ少将に

こんこんと説教くらいましたけど。婚約期間がないとか指輪の用意もしてないだとか。昨日の夕方

急に彼女が結婚に承諾をしてくれたからこっちは婚姻届を出すことが先決だと思ったんで

キャゼルヌ少将に連絡したらトントンと・・・・・・。レストランでガーデン・ウェディングと思って

予約を入れたいなと考えてたらあんまり簡単に考えるなと叱られまして。でもあのお二方が媒酌を

務めてくれるんで日取りは早くなると思います。おれの希望では遅くても一週間以内で。

できれば三日後。」



そりゃキャゼルヌも文句を言いたくなるだろうと三人は思った。



ドアが開いてその媒酌人のうちの1人がはいってきた。

「おい。少佐。招待客のリストを作って招待状の書式を作った。それとホールを押えといた。

本当に三日後だぞ。人使いが荒い新郎新婦だよ。よくまあ要塞事務監を私用で使えるよな。

司令官閣下と副官殿、准尉、当然出席だな。なんと式は三日後だ。」



文句は言っているもののキャゼルヌは女性提督を普段から妹か娘のようにかわいがっているし、

亭主のほうにもいわば「情がうつった」というやつなので二人の結婚式の準備は、全くいやではない

らしい。何せ自ら媒酌を務めるといったのはキャゼルヌである。



「司令官うれしいだろう。じゃじゃうまがとうとう嫁に行く気になった。実際内縁から婚姻したのは

いいことだ。三日後の式なんだが二人は人前式がしたいというからお前、立会人代表決定だ。

何せ一番階級も上だしな。署名をするんだ。ついでに祝いの言葉も考えておけよ。どうせお前の

ことだし短いだろうから三日後でも十分間に合うだろう。」

えとヤンは頓狂な声をあげたがもう人事は決まっているらしい。

「招待状の挨拶、かたいですね。少将の意地悪。」

ばかとキャゼルヌはポプランを叱った。上官であり司令官のヤンでさえ命令されるのであるから

ポプランなど当然叱られる。昨夜から何度馬鹿といわれてるのかなとポプランは思う。



「お前の嫁は現役将校だ。これ以上略式にできるか。それからアッテンボロー、ランチが済んだら

家内と一緒に衣装合わせにいけ。今手配している。お前の姉上の店だろ。」

「え。午後の仕事が・・・・・・。」ポプラン夫人になった女性提督は戸惑いを見せた。



「式は三日後なんだ。それにお前は特別でかい。あわす衣装に苦労もする。」

あ、ひどい。でかいといわれた。

「少将、うちの女房殿はウエストの細さとバスト、ヒップの差が女優並みにあるだけです。

モデル並みの長身なんです。ただでかい女じゃないです。小官のかわいい花嫁に暴言は慎んで

くださいよね。これでも傷つきやすいんですよ。小官の奥さん。」



キャゼルヌはいわく。

「うるさい。ぐだぐだいうな。三日後までにこれから料理の手配だ。それから衣装合わせ

が一段楽することがあれば・・・・・・アッテンボロー、亭主を呼んで指輪・・・・・・いや衣装合わせから

ポプランもいけ。どうせ今までだって訓練をさぼってきたんだ。この式までの三日間お前たちは

軍務につくな。休暇をとれ。そうだ普通は休暇をとるんだ。招待状はこれで作成してもう出すからな。

ああ。時間がない。全く忙しいのに。・・・・・・花もいるな。内装と・・・・・・二人とも仕事どころじゃない

からな。1300時にうちに来いよ。」



最後は独り言になり、ヤンの執務室を嵐のように要塞事務監殿は出て行った。

「アッテンボローと連呼してたね。キャゼルヌは。」

ヤンは苦笑した。

「軍務では二人幕僚にポプランがいるとややこしいからと先輩は昨日からあの調子です。

一番ハイテンションです。」

女性提督は言う。



ともかく。

「おめでたいことです。お二方ともお幸せに。」とフレデリカは微笑んだ。

ああ、そうだとヤンはいう。執務の関係もあるので今日はユリアンも交えて5人で1200時、

士官食堂で食事をしようとそれぞれの仕事に帰った。



とはいえどポプラン夫妻は仕事をしたらいけないという。そこで媒酌人に伺いを立てると。

「ポプラン。金を用意してくれ。ガーデンウェディングよりは安く上げてやるからばら撒く資金を

渡せ。」といわれ二人名義の口座の中から必要諸経費を媒酌人に渡すべく二人は

銀行に向かった。







「三日後か。私はスピーチと署名でいいのかな。祝いがいるな。現金の方がいいかな。

アッテンボロー・・・・・・じゃなくてミセス・ポプラン。」

ヤンが貝のサラダをつつきながら呟く。きのこのクリームオムライスとラム肉のグリル。

ビシソワーズが今日の普通のメニュー。少佐はさらにチキンのハーブソテーとポークドビーンズ。

「アッテンボローでいいですよ。先輩呼びにくいんでしょ。それとお祝いはいいですよ。祝儀をもらうなと

媒酌人から言われているんです。返しが必要になるからもらうなですって。」

女性提督はにこやかに言った。



やれやれとヤンがため息をつくと隣でフレデリカがくすりと笑い、いった。

「午後から楽しみですわね。どんなドレスになさるのかしら。提督のお姉さまのウェディングドレスは

どれも素敵ですしさぞ美しい花嫁姿になるでしょうね。少佐、楽しみですわね。」

「当日のお楽しみってわけには行かないようだ。彼女の姉上と話したんだが、いずれ妹を嫁に出す

ことを姉上は思って5パターンほどの彼女サイズのウェディングドレスを仕立てて用意してるんだと。

花嫁用のスリーインワンなんかもちゃんとうちの奥様用につくってるって。ブランドメーカー社長の

姉を持ってるのは強みだよな。奥さん。」

とポプランは隣の「愛妻」の髪を撫でた。



「・・・・・・でもさ。すんごい露出してるデザインだったらちょっといやだなと。姉の趣味は悪くないけど

・・・・・・まあ行ってみないとわからないよね。」



女性提督はもう少佐の「愛妻」なので「ダーリン」から何をされてももう何も言わない。

「ヤン提督。ここは感動的なスピーチをお考えくださいね。」ユリアンは隣の保護者に言った。

「何を言おうかな。・・・・・・短いのでいいだろ。少佐。」

結構ですとポプラン。「祝詞のようなのは勘弁してくださいね。」



そんな会話を愉しんでいるとフレデリカが時間を気にした。「1300時にはキャゼルヌ家にお出になるの

でしょ。今日はそうゆっくりと食事というわけには行かないですわね。」

女性提督はうわこんな時間だよと急いで食事をかきこんだ。亭主も男を待たせるのはともかく、待っている

のがマダム・キャゼルヌであることを考えて食事をさっさと済ませた。



「ダーリン。あんまり食べるとたぶんスリーインワンがきつくなる。今日は6分程度でやめいた

ほうがいい。」

「そだね。私はまだビスチェがいいというのに・・・・・・うちの姉、ちょっとエロティシズムが好きなんだ。

二番目の姉は私とまた違う意味で個性が強いから。行儀が悪いけど今日は残します。ご馳走様でした。

ではいこうか。夫人を待たせるのは悪い。」

と席を立って二人はなにやかやとしゃべりながら食堂をあとにした。



「同棲生活が書類一枚で婚姻となる、か。とうとう式を挙げるそうですね。あの二人のばかな恋人は。」

代わりに席に座ったのは珍しくワルター・フォン・シェーンコップ少将である。

「シェーンコップは呼ばれてなかったんだっけ。」ヤンが言うと。

「花嫁は一見の価値はありますけど付随しているおまけは見たくないんで招待されなくて結構

ですよ。そもそも私は美人が他の男のものになるような式典に顔を出したいとは思いません。」

トレイの食事を綺麗に口に運ぶ。



「ポプラン少佐はまだクリスマスに少将がポプラン夫人を口説いたことをお怒りです。」

とユリアンは苦笑して「師匠」にかわって説明した。

「あの小僧らしいことだ。まあ人妻というほうがかえってあだっぽくて、いい。」

とシェーンコップはいってからフレデリカが目で「そんなおいたはいってはいけません。」といっている

のを見て取って「冗談だよ。」と口角だけを上げて微笑んだ。

「せいぜい花でも贈って二人の門出とやらを祝ってやろうと思います。紳士的にね。」

うんうんとヤンとフレデリカとユリアンは頷いた。



「にしても。次はあなた方ですな。招待をお考えくださるのでしたらできれば式ではなく二次会にして

いただきたいですな。大尉の女友達が多く来ているとなお結構です。」と付け加えた。

ヤンとフレデリカは固まり、ユリアンもまた固まった。微妙な空気の中かまわずシェーンコップは

食事を続けていた。彼は綺麗な食事の仕方をする。



時間丁度にキャゼルヌ宅に着いた二人は早速マダム・オルタンスと三人で、ダスティ・A・ポプランの

二番目の姉マダム・グレイス・コーエン=アローロがデザインと経営をするブランドショップ

「GRACE」に足を運んだ。

スタッフたちはみな女性提督と社長の関係を知っているので、速やかに丁寧に三人はブライダルを

扱っているフロアへ案内された。



「コーエン=アローロ自身がデザインしたドレスは5着あります。これは「GRACE」では販売を

いたしません。ダスティ様だけのお品になります。そしてコーエン=アローロから妹さまへのご婚礼

祝いのお気持ちだと言い付かっております。ドレスから小物一切すべてマダム・コーエン=アローロ

がかねてよりかわいい末の妹様だけにとデザインをした品で、どうかはれの日をお迎えください

ましね。」



つまり二番目の姉はこの結婚衣裳が祝儀だといいたいらしい。花嫁は豪気な姉を思い浮かべた。



顔見知りの女性の店長に「もし5着とも気に入らなくても別のドレスでサイズはあります?」と

「花嫁」は尋ねた。勿論そうなればお直しを急いで仕上げます、といわれ少し安心した。



オルタンスがビデオカメラ撮影してもかまわないですかと店長にきいた。

「マダム・オルタンスでいらっしゃいますね。先ほどはお電話で失礼をいたしました。カメラのことは

お伺いしております。お持ちになるお客様も多いですのでどうぞご遠慮なく撮影をなさってください。」



「新郎」のポプランはなぜビデオカメラがいるんですかと小声でオルタンスに質問した。

「いえね。今ここで決まらなかったときにお二人であとでじっくり決められるでしょう。」と

微笑んだ。そういうものかとポプランは思う。オルタンスは子供の成長を撮りなれているので

小さなビデオカメラを扱うのも慣れている。



「ダスティさま、まずはこちらのインナーにお召しかえください。ドレスのラインをいかすのにかかせ

ません。係りの女性が1人試着室にはいりますけれど、どうぞ。気楽な気持ちで・・・・・・。」

・・・・・・姉の店だから気がまだ楽だが、そうお気楽にもなれないなと思う。女性提督は試着が

好きじゃない。



けれど仕方ない。

さすがにこのフロアは試着室というよりも大きな美しい装飾のある部屋のつくりに

なっている。休憩用に椅子やソファもある。何とかがんばろうと思う「花嫁」であった。



「いってらっしゃい。ダーリン。」とポプランは気楽である。

いいよな。男は軍の礼服があるからなと彼女は洗練された女性スタッフと一緒に試着室に入った。



「さすがお姉さまが経営されているから何もかも一通りこちらでそろえられていいですね。

普通ならブライダルの下着から自分で選ばないといけませんからね。」

オルタンスは広いフロアでゆったりとソファにすわり出された珈琲をいただきながら「新郎」にいった。

「それは確かにいえますね。うちの奥さんはお洒落が苦手ですから姉上の存在は偉大です。」

とポプランは答えた。

「ダスティさんはご自分の器量をよくわかっていないところが魅力でもあり、ですわね。

でもご結婚を決められてよかったわ。結局エンゲージリングとマリッジリングですけれど

・・・・・・どうなさいますの。少佐。」



そういわれてポプランは一応考えているのがねと。



「彼女やっぱりエンゲージはいらないというんですよ。そもそも婚約という形でなかった上に、

うちの奥さんは装飾品も苦手で。姉上とも相談して結局彼女が気に入るデザインの指輪を二人で

このあと選ぶことにしました。多分おれのサラリーを気にかけているのもあると思いますけどね。

階級差がこの場合ありますから。おれは浪費するし彼女は締まりやだからうまくいけばいいなと。

結婚指輪はお互いが買うものと彼女は言うけれど婚約指輪も贈ってませんし自分が出そうと

思ってるんですよ。それくらいは・・・・・・やっぱり男の見栄ですかね。」



いいじゃありませんのとオルタンスはにこやかに言う。

「いろんな形の結婚というものがあっていいと思いますわ。うちのひとは格式ばるところがあります

けれどかといって結婚指輪をずっとはめている人でもありません。でも少佐はきっと

はずさないでしょう。そのほうが素敵だと思いますわ。」

「はい。勿論です。」とてれもなく「新郎」は朗らかに返事をする。そもそもオリビエ・ポプランは

女性と話すのがだいすきで、マダム・オルタンスとあれこれのんびりと会話を愉しんでいる。



その歓談の合間に「花嫁」は花嫁姿で一回目のお披露目である。



マーメイドラインのオフショルダー。女性提督は胸を強調するドレスは好みでない。オフショルダーも

避けたいのだがこの衣装はチュールレースのスカーフが丁度首から胸のラインを綺麗に見せ、そして

隠す。裾にも刺繍が施されとても上品かつ彼女の体を綺麗に見せる。



「さすが姉上だなあ。ダスティの好きなスタイルをちゃんと心得てらっしゃる。」

と夫に言われて「どう思う。」と聞くと「まだ一着目だからこれに決めようとするのはもったいない。

だが綺麗だよ。奥さん。」

本当によくお似合いですよとオルタンスは後姿もありとあらゆる角度から撮影している。

「・・・・・・つまり5着全部試せってことだよね。オリビエ。」と情けない口調で女性提督が言うと

「勿論。」とポプランとオルタンスとの見事な二重奏。



「時間はまだありますからね。そう人生で何度も着たいとは思わないでしょう。ダスティさん。

せっかくだから今日はいろいろお試しなさいな。記念になりますよ。」とマダム・キャゼルヌはまるで

数年後のシャルロット・フィリスの予行演習のようにはずんだ心持の様子である。



「大丈夫ですわ。ダスティ様。ゆっくりお決めください。合間に休憩を挟んでお召しかえしましょう。

社長がダスティ様には存分に時間を使うようにと申しております。今日はこのフロアは貸切です。

気軽にいろいろと申し付けてください。」

笑顔の美しいスタッフが穏やかな口調で話してくれた。



「・・・・・・2着目を着たらトイレに行ってもいいですか。」

女性提督は世の女性、世の花嫁の苦労を慮った。

「いいなあ。女性は。いろいろと美しくなれて。俺も本当は礼服よりタキシードが着たかったな。

でもだめだと事務監に厳しく言われているから・・・・・・。」とポプランが言うと、

「あら、では新郎も試着だけなさいますか。社長とマダム・オルタンスから軍の規律があり

男性は軍部礼服着用とお聞きしていますけれど試着だけならかまわないのでは・・・・・・。」

スタッフが言うとオルタンスも「それもそうだわね。少佐も試着だけなさいな。私がしっかり撮影

しますわ。お二人の並んだ姿。いい結婚の思い出になりますよ。」



そんなのありかよーと「花嫁」は目を閉じた。「花婿」はいそいそとすぐに数点のタキシードを選んで

「じゃあすぐ戻るから待っててね。ダーリン。」といってスタッフの案内する試着室へ向かった。



by りょう




うちの娘のサイズはバストサイズがFカップなんですね。F65。(私とアンダーが違います)

Wは60センチ。身長が179センチのモデルさんのWが60から70。

Hは86。うちの娘も身長は179センチですからそのモデルさんより心持W細めに。

ウラヤマシデス。靴のサイズは25です。これは普通としてやってください。彼女の

身長が180に近いんです。



さていきなり結婚です。私自身は略式もいいところだったのでじつは細かい部分は知らないんです。

アッテンの姉を女性ブランドのデザイナー兼社長にしててよかったよー。えらい私。

話が急に変わっていくと思うので旧作を読んでらっしゃる方には新たな展開ですね。

これをかいていてMが脱線したんです。



LadyAdmiral